tabiyuki

忘れないように旅の記録をつけてます(古い思い出し記録も多い)

箱根❄

今回の旅を端的に言うと「2月の箱根をなめていた」。そういう旅行記
一緒に旅をしてくれるのは、うちのヌードルストッパー大倶利伽羅くんのお友達であるそうざくんぬいの主、あまねさん♡いつもありがと♡

前述に戻るが、そもそも2月に日本全国がどんな天候であるか、豪雪地帯や北海道意外は案外知らない関東平野民である。2月の箱根ってこんな雪降るの?!そしてどこを歩いても坂、坂、坂!!そりゃあ王者箱根学園が爆誕するわけだよ(弱虫ペダル)。
あまねさんと箱根に来るのは11年ぶり。初めて訪れる土地じゃないのに何もかも忘れていた……。
旅では徒歩中心の移動が多い我らはいつもどおり、Google Mapの所要時間を見て歩けばいいや😙なんて気楽に思っていたのだ。

2023.2.14(火)

新宿からロマンスカーに乗り、ド平日なのに埋まってるね〜なんてびっくりしながら箱根湯本へ向かう。温泉だから冬も閑散期ってわけじゃないんだな。その後箱根の人に聞いたところ、一年中みんな箱根に来る気があって、東京の人が多いからピークみたいのはあんまりないそう。わかる…し、そういう観光地は強いなと平日でもそれなりに賑わう姿を見て思った。

小雨では傘をささない人間なので、天気予報の降水確率が午前40%、午後からは20%だったから傘はいいか、と持ってこなかった。
箱根湯本に11時半頃着くと、そこそこ雨というかみぞれが降ってる。まあ、まだ午前中だしな、だいじょぶだいじょぶ、と思いながら箱根登山鉄道に揺られて小涌園で下車。
岡田美術館併設の開化亭でお昼して美術館も見よう〜という計画だったので駅から徒歩15分くらいを歩き始める。
Google Mapからは感じ取れなかった坂道の気配……
初っ端から平坦をまるで挟まない坂が続き、結局岡田美術館に着くまで全部坂だった。みぞれは降り続いているし、なんならもう雪である。

開化亭は美術館の奥の方にあり、ここでも坂に畳み掛けられる。
気温はひえひえなのに、うどんメニューの冷やしぶっかけが気になってしまうくらいには坂でポカポカになった状態で入店。しかし冷静な判断で牛肉ごぼううどんをチョイスした。
麺がもちもちでおいしかったー!なにあの麺!家でも食べたい!


岡田美術館
ロッカーにスマホも預けてくださいという今まで出会ったことないスタイル。美術館では常に手ぶらで居たいので望むところだけど、スマホが時計がわりなのでそわそわする。あまねさんの腕時計と館内の時計が頼り。
ところでこの美術館、5階建てでかなりのボリュームがある。ワンフロアも広い!時間が1時間半くらいしか取れない時間配分だったので、結構駆け足で観ることになったけど、上手いこと緩急つけて見られた気がする。
特に陶磁器のボリュームがすごくて、でも素敵なの色々あったな〜。龍の絵付けの表情が国によって結構違って、中国が断然かわいくてとぼけた顔で好みだった🐉
倶利伽羅くんの腕の龍がまんが日本昔ばなしに出たらこんな顔になるでしょう☺️って思った。微笑ましい。

企画展の若冲と一村もすごく良くて、企画展のポスターにもなってる一村の「熱帯魚三種」が妙にぐっとくる。

一村の手紙も展示されていて、エラブチという魚について「酢みそで食べると寒ぶりみたいですこぶる美味」みたいなことが書いてあった。字は親近感を感じる上手くない字で、それが内容と相俟ってジワジワくる。良い。

若冲は「三十六歌仙図屏風」がすごくかわいくて、基礎力が高くてセンスも良い超上手い人が描いたラフでコミカルな絵の上手さよ…!!と震えてしまった。
ポストカード買った。

あとこの階には春画があって、レンタル屋さんの18禁コーナーよろしく中が見えないような入口になったコの字型の小部屋に入る。それだけで割とおもしろいんだけど、春画自体も現代の2次元エロ絵に通じる点がありおもしろくなってしまった。
何かと言うと、色である。
フルカラー印刷には通常のCMYKに加えて蛍光ピンクの特色を加えるという手法があり、人肌の透明感をアップさせたり生々しい感じに仕上がるという効果が得られる。つまり2次元エロ絵のフルカラー表現として効果を発揮する場合が多いので、そういう用途で用いられたりする(最近のトレンドは違うかもしれないけど)。
春画の肌の塗りに差されている色が、まさにこの特色ピンクを感じる色だったのだ!えっ、昔から人の感性変わってない!と大盛り上がりしてしまった。今と違う点があるとすれば、私がこの日見た数点は男と女で肌色を変えて無かったことかな。それにしてもこういうの本当におもしろいよね。

さて、最上階の5階に到達したところで、タイムリミットまで10分ほど。ボリュームは如何に?!と思ったら最後は優しい10点ほどの仏教美術で、5階まで来た人の気持ちがわかってるな…!となりました。
薬師如来が私の好きな平安後期ぽいお顔してる。
あとかなり力強い金剛力士像があり、若干拝観疲れしてたからか乳首が花なことがめちゃくちゃ気になってしまう。この時は初めて見た気になってたけど、もしかして今まで見たものもそうだった気がするなと思ってこのブログを書くにあたり調べてみると、やっぱり大体お花乳首だった!!
文献を当たってないけど、仁王様は素肌に甲冑をつけるから、擦れ防止のニップレスだろう説が多く見受けられ、色々と衝撃を受けている。かわいいのつけてるね……?

そんな感じで美術館を出ると、普通に雪がどんどこ降っている。足元も積もり始めてて、早足したら危ない感じ。午後の降水確率20%って言ってたじゃん!
きっとゆきちゃんは傘を持ってこない…と思いながら傘を持ってきてくれてたあまねさんに相合傘してもらい小涌園まで戻った。本当にすまない。次回からは降水確率20%でも折畳み傘を持っていきます😭


どうにかこうにかバスに乗って上強羅からホテルまで15分ほど歩く道のりはもう一面の雪☃

今年の冬は私はまだ雪を拝めていなくて、思わぬ雪景色にワーイ!なんてなっていた……この時は。誰にも踏まれていない道路の雪に喜んで、大倶利伽羅くんの撮影などもした。

しかし一向に弱まる気配が無くどんどん積もっていく雪に、夕飯を強羅よりさらに上の仙石原で予約していた私たちは若干の不安を覚え始めていた。
とりあえずバスに乗って仙石原へ向かうも、運転手さんと乗客のやりとりで雪がすごいから今日の強羅へ戻るバスはもう終わったらしいことを知り、夕飯後に強羅へ戻りたい我らはまじかーとなる。
タクシーの線も問い合わせてたんだけど望み薄だし、いよいよダメな時は歩く覚悟を決めつつディナーへ向かった。

不安なことはさておき、雪で雰囲気がとってもいいWOODSIDE dining

箱根リトリート内にあるレストランで、利用は宿泊者が圧倒的に多そうな感じ。強羅であんまりピンとくる夕飯が無かったのでちょっと遠いけどここにして、結果好みのお料理でよかった。
食事にお金かけるのは厭わないタイプなんだけど、好きな店の雰囲気と料理の系統がはっきりしてるので、結果あまり高級志向にはならずそこそこ高いあたりに落ち着くことが今は多い。これは舌がもっと肥えたら年齢とともに高級志向になるのかな?なんとなくならなそうな気もするけど。





雪景色だけど春を感じる料理たちで、どれもおいしかった〜!最近ほんと鰆がおいしい。魚も肉も楽しめるコース嬉しくて好き!
パンはふわっとタイプなのでバゲット系が好きな私には刺さらなかったけど、ホイップバターなのはポイント高かったな。パンってめっちゃ好み出るよね…!
バレンタインだったので、帰りにヨックモックお好きなのをどうぞ〜してくれたのも嬉しい♡

さて、問題の帰りの足である。
生きてたバスも全て死に、タクシーはつかまらず、その問い合わせをしてくれてたスタッフさん達にはそれだけでも感謝しきりだったのに、結局足が全滅したためホテルの送迎車で行けるところまで送ってくださった😭本当に申し訳無い……そして神様である。
今度絶対ホテルも泊まりに行きますねと思ったし、感謝メールをちゃんと入れました。
送ってもらう間、その前の週末の雪の日もバスの運休や通行止めで足が無くなった多くの観光客が、歩道とも言えない路側帯をカート引いて歩いていたと聞いた。箱根の冬は覚悟が必要なんだな……

強羅駅まで送ってもらってからは、ホテルまで延々と続く雪の坂道クライム。ダウンマフラーしてたけど途中で外したし汗だくでホテル着いた!
しかしオタク、どうしても雪景色で旅のお伴たちの写真が撮りたくなる。千葉県に住んでると滅多に撮れないからね。

宿についてからは温泉に2時間くらい浸かって、深夜にミュージカル刀剣乱舞鶴丸と大倶利伽羅双騎出陣をあまねさんに見てもらい就寝。私の推しキャラ双騎なので見てもらえたの嬉しかったな……私も久々に見たら改めてめちゃくちゃ良い作品だった。

2023.2.15(水)

今日も景色は真っ白。

やみそうでやまない雪が昼過ぎまで降ってたけど、道路は除雪車が入ってるのでバスもちゃんと動いてる。
ところでこの2日乗ってて思ったのは、箱根登山バスの運転手さんみんなすごく感じがよくて親切ということ。旅先のバスって行先間違って無いかとか不安だけど安心して乗れる感じ。


そして今日はラリック美術館のオリエント急行カフェしたかったのだが時間が合わず断念。これはまたの機会にということで、もうひとつの目的地へ。

ポーラ美術館

企画展は部屋のみる夢


自分が好きそうな企画展だなというのもあって、行きたかった。
窓のある作品が多く、光を感じるものが好きだから目が喜んでいる。光を表現したいと思う作家も多いように感じるから、光は普遍的な心惹かれるテーマなんだろうね。


ベルト・モリゾ「ベランダにて」
モリゾの娘の絵がとってもかわいい。
19世紀に珍しい女性作家で、姉妹ともに絵を描いていたけど姉は出産して絵の道を諦めたというのが現代から見て色々と思うところあるけど、モリゾは続けられたんだなというのも興味深い。



ヴィルヘルム・ハマスホイ
「陽光の中で読書する女性、ストランゲーゼ30番地」
ハマスホイの静かな室内画も惹かれる。
捨象というのをこの時初めて知ったけど、この整然とした室内、本当はもっと生活感のあるものがあるってこと?!となって、真実を描かないのいいじゃんなどと俗なことを思っていた(自宅でのSNS用写真撮影でいかに真実を写さないようにするか苦心しながら撮っている私😭)。
でも多分そういうことじゃない。

【捨象(しゃしょう)】事物または表象からある要素・側面・性質を抽象するとき、他の要素・側面・性質を度外視すること。※デジタル大辞泉より



アンリ・マティス「中国の花瓶」
マティスの展示は壁紙がピンクなのが合っててよかったな。
母がマティス好きなんだが、母の描く人物絵、マティスの描く女性の顔とタッチに似てた。わかるよ、自分の好きな絵と遠くない系統を描いてしまうよね。




高田安規子・政子
「Inside-out/Outside-in」
「Open/Closed」
写真で上手く伝わらないけど良かった。
特に内と外の関係を表現している窓の方が私は好きで、小さな窓それぞれに灯りが灯っているのがなんともいい。

常設展もちょうどいい量。
ポーラ美術館自体は行きたいなと思いつつ案外箱根に行かないので初訪問だった。ガラス張りの建物がおしゃれだし構造的にもなるほどで感心してしまう。


展示を見る前に併設のレストラン アレイでランチもした。
企画展コースも惹かれたけど昨夜のディナーと内容がちょっとかぶるのでランチセットのビーフシチュー。

デザートは企画展の。
かわいいうえにおいしい。優秀!


鑑賞後の休憩も館内のカフェで。
コースターがかわいくて、欲しいのでお土産で売ってほしい(無い)。

レストランにいらしたウェイターのおじさんが、カフェの方でも給仕していて「カフェもご利用くださりありがとうございます」と言われる。ここまでは普通。
その後、そのウェイターおじさんがふらっと席に現れては小話を披露して去っていくというのが三度あった。
内容は頓智を利かせないと答えを導き出せない小ネタで、二度目からは「これは頓智だ!」と思ってるから必死に考えるけど、そもそも頭が柔らかくないから結構難しい。絶妙に箱根ネタを最初は混ぜてたのに、最後の小ネタは完全におじさんの奥さんとのネタだったのもほほえましい笑
このウェイターおじさんは日々頓智ネタを考えてお客さんに披露しているんだと思ったら、すごいおもしろくなってしまった。きっとボケ防止にもなる……


ゆっくりポーラ美術館を楽しんだので今回の観光はこれでおわり。
宿に預けてた荷物を持って、帰りは小田原までバスで下るために上強羅のバス停を目指す。今思えば、強羅に向かえば下り坂だったな…と思うんだけど、この時は小田原からJRで帰ろうという頭しかなかった。上強羅がダメなんじゃない、宿から上強羅が上り坂だと気づけなかった私が悪いのだ。
そもそも強羅から先は早雲山までのケーブルカーになっているので、勾配が急な土地である。昨夜の強羅駅からの雪の行軍と合わせるとケーブルカー4駅分(全部で5駅しかない)の坂を登ってしまったことになる!箱根では地図上の位置関係以上に標高差を意識して地図を見ないとだめだとよくわかりました。冬以外ならマイカーで来ようかな笑

とはいえ、体力はめっちゃ使ったけど充実の美術館で楽しい旅でした!

お土産

ポーラ美術館のロゴとても良いので、ポーチ嬉しい。刺繍じゃなかったら買ってなかったので、ポイント高い。


九谷シールのデザインが昔から好きで、画家シリーズなんて出てるの知らなかったからつい購入。