tabiyuki

忘れないように旅の記録をつけてます(古い思い出し記録も多い)

岩手(猊鼻渓→遠野)

元々は秋田に行こうと思っていた旅であります。
スラムダンク関連で能代に行こうとしてたから、私だけの目的過ぎるのと色々考えながら周りたかったので、人生で2回目の1人旅にするかー!と意気込んでおりました。五能線に乗る計画にしたからほんとワクワクしてた。
ですが、知ってのとおり憎きは集中豪雨なり………洪水被害にあわれた皆様に一日も早く日常が戻りますようお祈り申し上げます。色々迷ったんですが、できる支援をして今は行くのはやめておこうということに。
五能線が運休になったとはいえ、車を使えば能代には行けるなとは思った。が、道がどこで通れなくなってる等の不安も多く、あとそもそも知らない土地で1人であんまり運転したくない、なんかあった時に自信が無い、というのがありやっぱり難しかった。
キャンセルは心苦しかったけど、五能線が思ったより早く復活してくれそうなのでもうリベンジマッチを手配しました✌楽しみだな!!

それはさておき、せっかく金曜日休みとってるし旅気分だったからどっかには行きたかったんですどうしても!それもなんか、東北がよかった!私が東北をあんまり制覇できてないのもあるんだけど。
そんな頃、ちょうど遠野市立博物館twitterが上げてる遠野市の風景写真がおすすめタブで出てきて、気になるなーと思ったので今回は遠野中心に組み立てよう!と決めた。
ところが電車の本数の問題ですごい旅程が立て辛くて、GoogleMAPとNAVITIMEを往復する毎日……なんとか決まって宿とって新幹線も手配し直して、したらもう後は楽しみで仕方なくて早く7月末になれーッ!と思っていた。
ちなみに7月末にしてたのは、五能線を絶対に晴天で乗りたかったから梅雨明けを狙ってのことでした。

遠野ってご存知の方が多いと思うんだけど、実は私は全然知らなかったのです。遠野物語を読んだことがない。柳田國男も読んだことがない。
ただ、今やっている博物館の「遠野物語と呪術」展はおもしろそうだなあと思って興味がむくむく沸いた。これは遠野市立博物館のTwitter担当さんが上手いと思います。
そんなわけで遠野行くなら遠野物語を読んだ方が楽しめそうだなと思って母に遠野物語を借り、遠野につくまでにはこれを読み終わろうと思ってたのに、旅立つ直前あたりからやっとちまちま読み始めた。
前置きが長い。やっと旅にでます。

2023.7.28(金)

全然早く家を出る気があるのに電車本数の関係で10:44東京発というのんびり具合。遠野物語読み終わってないので車内で読もって思ってたが、Twitterで貯めてた別件の小説を読んでほくほくしたりしていた…遠野物語が夏休みの宿題状態である。
今日は遠野に行くわけじゃないので、一ノ関で下車。
学校が夏休みに入ったからか、東京駅も田舎に帰るのかなという家族連れが多かったりしたけど、一ノ関新幹線ホームでも帰ってきた若者の「ただいまー!」と迎えに来た家族の「おかえりー!」みたいなのがあって、夏の情景だなあとにっこりしてしまった。

一ノ関からは大船渡線に乗り換えて、目的地かつ今日の宿泊地、猊鼻渓で下車。
13:18着。暑さは本番。

時間帯的に日陰がなく、ひたすら照り付ける太陽と草地から立ち上るアツアツの湿気……自分が小籠包になった気分である。おそろしい…日傘がなかったらへにゃへにゃになってコンクリートに溶けてた。
こんな時間に外を歩くバカはいないということなんだろう、誰もいない道を7分歩いて宿へたどりつく。カフェもやってるとこなので、もうここでご飯を食べよう…!と心に決めていた。

café&GuestHouse kaziya
かわいらしい一軒家の玄関を入って奥に進むと明るいカフェスペース。

冷房でキンキンに冷えており、ここが天国か!となりながら、その時の暑かった気持ちでかき氷とレモネードソーダとガレットを注文して、かき氷を先にくださいとお願いした。
レモンシロップと、レモンクリームのエスプーマ、底に多分カッサータ的なものが入っている。さっぱりしてて適度なコクもありおいしいー!

しかし思ったより大きかったのもあり、冷房ガンガンの中で食べてたら最後の方凍えてきた。これは私の目算が甘かった…と思ってドリンクをレモネードからホットのほうじ茶に変更してもらいなんとか解凍される。

サラダととうもろこしの冷製ポタージュ
サラダについてる卵白の手作りマヨがおいしい!

メインは鰆と海老のガレット。鰆たっぷり!

焼きたてパンもつくんだけど、おいしくてせっせと食べたらすっごいお腹いっぱいになってしまった…これからたくさん歩くしよしとしよう。


重い腹は置いてけないが重い荷物は置いて、再び灼熱の太陽の下へ。猊鼻渓で舟下りするためである。
舟の上で水には入れないし暑いかなあと思ってたけど、西日に差し掛かる15時なこともあり思ったより平気!水辺は涼しいのかもだし、日陰を進んでくれたりするととても快適。
魚もたくさんいて、ウグイという魚は身体に金色を散らしたようなキラキラがあってきれい。

両サイドにそびえる岸壁が高くてかっこいい。

渓谷の終点まで行ったら陸に上がって20分ほど散策できる。水際から見上げる岸壁もいい。

帰りの舟ではひぐらしが鳴きはじめていて夏の西日の川下り、めちゃくちゃ夏の概念好きの心をくすぐる。
運よく最前に座れたので写真も美しく撮れる!(平日だけど満席だった)

鏡面反射が美しい。


舟下りを満喫してから、今度は20分ほど歩いて幽玄洞へ。
猊鼻渓で舟下りすると、幽玄洞の割引券ももらえると船頭さんが言ってて、もともと行く予定だった私はありがたくそれを頂く。(スタッフに聞かないと出てこない)
日本最古の鍾乳洞で化石も多いらしい、が、全然有名じゃないらしく私が行った時も誰もいなかった。平日夕方のせいもあるか……

入口に続く道からひぐらしがうるさいくらいに鳴いて日も陰ってきている上に、入口になぜかラジオが置いてあり、誰もいない中陽気なパーソナリティの声が流れているのがどことなく恐ろしい。これは…楽しみですね!実は鍾乳洞初めてな気がする!

洞に入ると、入口のラジオの音が反響していて、進むにつれてだんだん遠くなっていくのがまたなんか怖い。良い。
ここに着くまでにもう形が無くなりそうなほど汗をかいてほっかほかだったので、内部の冷え冷えの気温がありがたい。最深部あたりでは吐く息が見えていた。でもずっとタンクトップで歩いてても平気。

一方通行で一人しか通れないしかなり狭い洞。

鍾乳石に色んな名前をつけていて、結構それがいい。吐雲の龍ってかっこよくないか?!

これは蓮華の壁。美しい。中段右の方、おだやかな仏像の横顔に見える。

鍾乳石って形から連想される手触りはぶにっとしてそうなのに普通に石でおもしろいな。
水の落ちる音がずっと音楽のようで、誰もいないしんとした洞内に響いていてとてもよかった。本当に入って出るまで誰一人入ってこなかったので静かに満喫できたの最高……


外に出ると蒸し暑いけど17:30なのでもうだいぶマシ。夏の夕方の空、いいなあ。一人旅の醍醐味は、情景が100%自分に入ってくることかなって思いながら歩いた。誰かと行く旅も大好きだけどこれはこれでいいな。



宿に戻る前に、行きたかったパティスリーフジへ。
お店のお姉さんはとっても感じが良くて親切で、嬉しくなってしまう!

オーセンティックなケーキをそろえつつ、インスタを見ると最近ぽくてセンスの良いものを作られていたので、今回はシェフの気まぐれケーキをチョイス。
マンゴーとココナッツのムース。夏らしくていい!寝る前に食べたけど、ベースのアーモンドプードルのスポンジ?が効いててムースの酸味とクリーミーさもちょうどいい。おいしかった!

そして焼き菓子マニアなので、焼き菓子をたくさん購入。初日にして荷物をかなり重くしてしまった…。


宿に戻ってとりあえずシャワー浴びたけど、着てたものが湿り過ぎててやばい。
ゲストハウスなので、洗面所・バストイレや冷蔵庫は共同で、部屋は必要最低限のものがあるだけだが十分である。一人だと無駄に広いより手の届く距離になんでもある方が私は嬉しい。


夕飯の時はお酒飲みたくて世嬉の一酒造のクラフトジンを使ったジントニックを頂く。わーい!おいしい!そして夏休みの宿題、遠野物語を読み終わってないので飲みながら読書…

ミニトマトのはちみつ漬けがおいしかった!
メインはまんまるハンバーグ。下にマッシュポテトが敷かれてるのもうれしい。
デザートはカッサータ。
夕飯もパンが好きなだけ食べられるので、つい頼んでしまう…地元産全粒粉使用のプレーンのプチパンがおいしくて…おなかいっぱいすぎる(なんとライスも普通に出てくる)



紅茶は食堂にあるのを好きに飲んでいいので、夜中にケーキ食べる用などでたくさん飲ませてもらって感謝!雰囲気と居心地がいいし、使い勝手も問題ないよきゲストハウスでした☺️


2023.7.29(土)

朝ごはんはクロックムッシュ。チーズたっぷりでおいしい!

今日も清々しい晴れだけど、一歩外に出ると清々しいどころじゃない暑さ…。駅近くのファミマで水分と塩ソーダキャンディを購入。備えあれば憂いなし。
猊鼻渓から大船渡線に乗って一ノ関へ戻ります。
行きと違って空いてたので、ドラゴンレールと名付けられた曲がりくねった線路を堪能。単線だから両脇の緑が近くて、強い日差しと緑のトンネルを進んでいくのが最高。気動車だから架線が無いのも良い。先頭車両で堪能できてよかった。

一ノ関では乗り換えの時間まで1時間弱あるため、暑いけど徒歩7分くらいの一関市立図書館へ行きました。
入口にはSLが展示されている。

開放的できれいな図書館もさらっと拝見。
特集コーナーは時期的なこともあるのか戦争について。一ノ関にも空襲があったことを初めて知った。

図書館1階にあるカフェ ジャーナルにも寄って、ライムミントレモネードとスコーンと紅茶をいただく。
スコーンが大きくて、サクッと派の私が寝返りそうになるぐらい外ガリ中フワでおいしかった!クロテッドクリームに季節のジャムがルバーブなのも嬉しい。
ここで食いしん坊を発揮したため時間がやややばかった!笑


無事新幹線には間に合って、新花巻で下車。釜石線のホームで時間がちょっとあったのでベンチで遠野物語の追い込み読書をする。日陰で、ぬるいけど風があるのでなんとか居られる…。悪くない時間です。

そして快速はまゆりがやってきた!

3両中2両は自由席で、土曜だけど普通に座れてよかったー!車窓からの景色はほんと田園風景で、とても良い。川もあって天気は快晴。景色眺めて、追い込み読書して、うとうともして、なんだかあっという間に遠野駅に着いてしまった。遠野物語は無事読み終えた!


遠野駅着が13:04で、また灼熱の時間帯である。
でもめげすに観光案内所でレンタサイクルをお願いする。たくさんギアのあるe-クロスバイクがラインナップにあるのすごい!しかもたくさん用意してる!!これは勝ち確です。ありがたい!カゴ付きだし!
これが今日の相棒🚴

コインロッカーに大荷物は預けて、元気に漕ぎ出します。らくちんだしギアもアシストも最高ー!
しかし走ってる間は風を受けてるのでだいぶいいけど、止まるとやっぱり滝汗なんだよね…。
遠野では、行くとこをそんなガチガチにはかためてなくて、かっぱ淵と博物館以外は景色を楽しみつつ、その場で出会ったものを見ようと思ってました。

ので、まずはかっぱ淵と常堅寺



きゅうりによるかっぱ釣りを子どもたちが楽しんでおる……
私の印象に残った遠野物語の河童エピソードは二代にわたって河童を産んだ女性の話で、生まれた河童は切り刻んで埋めるみたいなやつ…怖すぎる……。なので、かっぱ淵のかっぱの話は割とコミカルでほっとするよね。

木陰と水辺で一時の涼をいただき、ふたたび降り注ぐ日差しの下。今度は観光案内所で教えてもらったサイクリングロードだ!びっくりするぐらい誰もいない!こんな炎天下にサイクリングロード走るバカいないって話か…?

走ってると、河原の雑草から立ち上る青臭い湿った熱気がモワッてありながら、風の通り道では川の冷気が運ばれて急にシュッと冷たい風が吹く。これが気持ちいいけど、割合的には9:1ってとこですね…。まあ、ごまかしようもなく暑い!
でも景色は最高。
まだ青々とした水田が広がって、その端には山が重なって霞みがかってる。空は真っ青な夏の空。
これが見たくて来たんだよーーーと、汗をだらだら流して身体ホカホカにしながら感無量になり、ひとしきり写真を撮った。

サイクリングロードは途中から川が見えなくなって丈高き雑草の間を走るだけになったからちょっとやめて、田んぼの間の田舎道や山に行く手前の道などふらふら。こういうの楽しい~!

道祖神群。

道祖神群のそばにあるひっそりとした観音堂
強い日差しを受けた影のコントラストがいいよね夏は本当。


景色をゆっくり味わった後は遠野そば まんてんで遅いお昼!地元の人がよく行ってるようなところで、佇まいは観光地というより日常感あふれているお店。
遠野産のそばを毎日挽いて工場で製麺していて、つゆも無化調の手作りらしい味。天ざるには大好きなトウモロコシのかき揚げが入ってて、それだけでもう百点満点なんだけど、お蕎麦も天ぷらもおいしかったー!若いご夫婦でやられていて、二人ともとっても感じがいい。
和食をどこかで挟みたかったので、ここでお蕎麦食べられてよかったな~。


そして最後は遠野市立博物館。

呪術展が目的だけど常設展もさらっと拝見した。馬産地としての遠野も興味があるなあ。今度はレンタカーで来て遠野馬の里も行きたい。

色んな絵馬がかわいい。

呪術展、かわいいのもちょっと怖いのも、知ってる信仰や風習も知らないのもあっておもしろい。撮影可の張り紙もお札になってるの、良いね!護符もかわいいし、熊猟のお守りがお気に入り。

これは見たかったオシラサマ。
Twitterの画像ではもっとおどろおどろしいというか、有体に言うと臓物みたいに見えてたんだけど、実物は蚕の繭的なものが被ったオシラサマであった。


博物館はちょうどいい物量で、見終わったら電車の時間まで残り30分くらい。
微妙な時間なので迷いつつ、気になってた駅近くの遠野醸造TAPROOMへ行き「20分くらいしか時間が無いけど一杯飲めますか?」と聞いたら全然OK。ありがたい!

遠野のりんご農園のりんごで作ったドライシードルのSを一杯と、遠野産ホップシロップ×トニック×レモンのノンアルもいただく。
夏を満喫した身体に沁みわたる~!夏の炭酸って最高だね。

そういえばホップ畑もかっぱ淵の近くにあった。


後は予定どおり各駅停車に乗って新花巻までトコトコ帰る。西日の入る車内も、車窓から眺める風景もいいなあ。

夕飯は駅弁~と思っていたが、新花巻18:07発のやまびこにしたところ、まず駅の売店は18:00で閉まり、やまびこは車内販売無し。そんな予感はしてた!はやぶさじゃないと車内販売は無いって覚えました。
昼ごはん食べたのが遅くて助かったー!
日中太陽を浴びまくって動いたせいか、新幹線では気持ちよく寝たりTwitterしてたらあっという間の3時間ちょい。無事山の無い千葉県へ帰宅しました。
正直千葉の方が涼しいのだが、これも夏の思い出…一足早い夏休みpart1楽しかった!!岩手また行こう!


🌻おまけ🌻
旅行の時着るもの考えるの好きで、今回はすごい目的と合致しつつ好きな感じの服を選べたので嬉しかったから記録してみた。

約束されし汗まみれの旅だったので、
・とにかく暑くない
・あんまり高価じゃない
・アクティブに動ける
に重点を置きつつ自分が着てて嬉しい色になるように手持ち+買い足しでチョイス。年齢なんて気にするなー!!旅ファッションは楽しいね🥳